第2回 インタビュー Visit 長谷川聖治 氏 (中)

=MAGAZINE= 珈琲ブレークサイト

読売・日本テレビ文化センター代表取締役社長 長谷川聖治 氏 (中)

はせがわ・せいじ。群馬県生まれ(58歳)。東北大学理学部数学科卒。1987年4月読売新聞社入社。新潟支局、科学部、甲府支局、バンコク特派員、科学部次長、科学部長、編集局次長、事業局次長、北海道支社次長、よみうりコンピュータ取締役副社長を経て、2022年6月から(株)読売・日本テレビ文化センター  代表取締役社長に就任。    

🟢 エッジが効いた講座 🟢

小林 一(以下 小林)「コーヒーブレーク明けでいきなりですが、エッジが効いた講座を心掛けているという話ですが、エッジの効いた講座とはどんなものでしょうか?」。「個性的で最先端をいく、鋭い切れ味のある講座というイメージが連想されますが」「それが『エッジが効いた』というものですね」。

長谷川聖治(以下 長谷川)「実は、講座作りは難しいですね。誰もが好むと思った講座が、人気がなかったり、これはマニアックだと思った講座が人気を集めたり、ということはけっこう起こります」。「そこから見えてくるのは、幅広くというより、特定の層を意識した講座です。切れ味鋭く、特定のターゲットに食い込んでいくというイメージです」。「それが『エッジが効いた』というものですね」

長谷川「私が最近かかわったものとしては、4月から始まった『プラネタリウム 100周年連続宇宙講座(全12回)』があります」

小 林「ドーム型の天井に星などを映し出すプラネタリウムですか。地元、山梨県の愛宕山こどもの国で、学生の頃見ましたね。100周年ですか」

長谷川「そうですね。1923年、大正12年にドイツのカールツァイス社が、4,500個の恒星と5つの惑星の運行を再現できる光学式のプラネタリウムを開発し、ドイツ博物館で試験公開し世に送り出してから、2023年でちょうど100年となります」

長谷川「そのタイミングで、プラネタリウムの果たした役割、映像制作の舞台裏、宇宙研究の最前線、最新理論、宇宙旅行などの話をオンラインと会場で受講できるように企画いたしました」

小 林「具体的にはどんな講座になっていますか」

長谷川「プラネタリウム誕生の経緯、魅力などのほか、この100年間に発見された宇宙の謎なども話してもらうものです。第1回目は、『プラネタリウムの誕生』と題して、JPA(日本プラネタリウム協議会)プラネタリウム100周年実行委員長を務めておられる、兵庫県明石市立天文科学館 館長 の井上毅(いのうえ たけし)さんが講義します」

小 林「井上さんは、同科学館のオリジナルキャラクター『軌道星隊シゴセンジャー』の敵役ブラック星博士のマネージャーを務めておられますね。自ら惑星ロマンを演出していて尖っていますね」

長谷川「極めて尖っていますね」。「第2回目は、5月28日(日)に開かれますが、私たち人類の知的好奇心を刺激し続ける宇宙、今日における人と宇宙の関わりについて再考する『人はなぜ宇宙に魅せられるか?』と題して、国立天文台天文情報センター准教授で、一般社団法人宙ツーリズム推進協議会代表の縣 秀彦(あがた ひでひこ)さんが講義します」

小 林「縣さんは著書に『面白くて眠れなくなる天文学』、『日本の星空ツーリズム』など多数ありますね」

長谷川「宇宙の謎、不可思議を平易な分かりやすい言葉で話してくれる研究者です」。「第3回目は、6月24日(土)に開かれます」。「この100年間多くのことが発見されましたが、まだわからないことだらけです」。「地球をはじめ多くの天体、そして生命のルーツは暗黒の宇宙にあり、それを光ではなく、電波で捉える試みが、大きな成果を挙げています」。「電波望遠鏡を通じて、暗黒の宇宙の秘密をあぶり出す『電波でさぐる「目に見えない」宇宙』と題して、国立天文台講師で同台長特別補佐の平松正顕(ひらまつ まさあき)さんが講義を行います」。「著書に『宇宙はどのような姿をしているのか』などがあります」

小 林「月1回のペースがいいですね」

長谷川「第4回目は、夏休みに入ったばかりの7月22日(土)。ハッブル宇宙望遠鏡って聞いたことがありますか?」

小 林「もちろんあります。星雲や銀河のきれいな映像をたくさん撮影しましたね」

長谷川「ハッブル宇宙望遠鏡は、1990年に打ち上げられ、上空600kmを周回しながら多くの天文情報を収集し、地上に送りました。地球上から撮影できない、多くの発見があったわけです」。「この後継機が、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡です。2021年に打ち上げられました。米航空宇宙局(NASA)が中心となって、開発したものです」。「この観測情報は、世界中に発信され、宇宙研究に利用されています」。「このハッブルからジェームス・ウェッブに至るまでの宇宙望遠鏡の観測で見えて来た宇宙の果ての姿を紹介するのが第4回目の講座『宇宙の果てを観る~ハッブルからジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡へ~』です。国立天文台教授を兼任されている、東京大学教授の大内正己(おおうち まさみ)さんが講義します」。「著書に『宇宙』、『巨大望遠鏡で迫る、宇宙の果て』などがあります」

長谷川「8月5日(土)の第5回目は、少し毛色の違う講座です」。「プラネタリウムの映像や、宇宙映画、映像などのクリエイター・監督の上坂浩光(こうさか ひろみつ)さんが、宇宙映像作品のメイキングを軸に宇宙と私たちの繋がりについて話す『宇宙映像作品にこめた想い』です」

長谷川「上坂さんは2009年にプラネタリウム映像作品『HAYABUSA-BACK TO THE EARTH-』をきっかけに、宇宙と生命をテーマにしたプラネタリウム映像作品を数多く制作し、話題の監督でもあります」

小 林「夏休みですので、多くの子供さんが参加されるといいですね」

長谷川「そうですね。それを願っております」。「第6回目の9月2日(土)は、ブラックホールが衝突を繰り返す激しい宇宙の姿を、新たな『重力波』という強力な道具で見えてきた最新の成果について語ってもらいます」。「『重力波で見えてきた新しい宇宙の姿』と題して、国立天文台准教授の麻生洋一(あそう よういち)さんが講義します」。「麻生さんはコロンビア大学とカリフォルニア工科大学の研究員、東京大学助教を経て現職に就いた方です」。「4月~9月までの半年分について講座の内容です」

小 林「第4回目の東京大学教授の大内正己(おおうち まさみ)の講義予定のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の話をきいて、私の葡萄菜園の師匠で横瀬順寿(よこせ よりとし)さんという甲府市役所を退職した方がおられます。その横瀬さんが、以前電話でハッブルとジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の話をされたことを思い出しました。

小 林「横瀬さんが、『小林さんNASA(アメリカ航空宇宙局)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は以前のハッブルよりも感度が100倍向上したことで、初めて捉えた深宇宙領域のかなり古い銀河が映し出されています。ビックバンから4億年後という遠い過去まで見られますよ。あと、2000光年の距離にある巨大な雲も見られます。 小林さん、木星ご存知ですよね、それも見られます。しかも無料でPCやタブレットでGoogleやYahoo検索で見られます。私は宇宙のどこかに生命が存在すると思います。何故なら…..』と、そんなハイテンションな会話が1時間以上続き、大変盛り上がりました。その時に宇宙ロマンは凄いなと思いましたね」

長谷川「そうでしょ。宇宙ロマンはそこ知れず広がります…..」。「第2回の縣先生が話してくれると思いますが、人類は宇宙の星、天体に思いをはせてきたんですね」。「宇宙好きなど人は本当に多いですよ」

小 林「それにしても、そうそうたる講師の皆さんですね」。「10月から2024年3月までの残り6回の内容はどのようになっていますか」  

長谷川「第7回目10月21日(土)は星空を見上げることの意味『~すべての人に星空を~「病院がプラネタリウム」の実践から』と題して、一般社団法人 星つむぎの村 代表理事 高橋真理子(たかはし まりこ)さんが講義を行います」。「山梨県立科学館で19年間プラネタリウムの仕事をしたのち、宙先(そらさき)案内人として独立した経歴をお持ちです」。「病気で入院されている子供らに簡易的なテントのようなプラネタリウムを設けて、星空を見せる試みです。子供たちの生き生きとした笑顔がすばらしいそうです」

小 林「すばらしい試みですね」

長谷川「第8回目は、11月18日(土)」。「宇宙と生命に共に興味のある方にはピッタリの『第2の地球を探して』と題して、東京大学教授・アストロバイオロジーセンター長 田村元秀(たむら もとひで)さんが講義をします」。「多くの生命体の楽園となっている、地球のような惑星、天体があってもおかしくありません。その試み、現状について興味深い話が聞けそうですね」。「著書に『第二の地球を探せ ! 「太陽系外惑星天文学」入門』などがあります」

長谷川「第9回目12月17日(日)は、太陽の話です」。「地球上の生命に取って欠かせない、母なる太陽は、実は爆発だらけの恐ろしい天体です」。「光がなくては生きていけませんが、太陽光線の被曝は、皮膚がんの原因になりますし、爆発で生じる磁気嵐は、高度な情報社会の現代人には大きな脅威となります」。「太陽の正体と地球への影響を明かす『太陽の恩恵と脅威 地球環境への影響』と題して、同志社大学特別客員教授、京都大学名誉教授 柴田一成(しばた かずなり)さんが講義を行います」。「柴田先生は、日本天文学会長を歴任。2001年林忠四郎賞、2019年チャンドラセカール賞、2020年ヘール賞などを受賞しています」

小 林「面白そうですね」

長谷川「第10回目は1月20日(土)。正体不明の宇宙定数(ダークエネルギー)に満たされた宇宙の過去と未来を明かす宇宙論についての話です」。「『加速する宇宙と加速する宇宙論』と題して、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授 須藤 靖(すどう やすし)さんが講義をします」。「著書に『不自然な宇宙』、『宇宙は数式でできている』などがあります」

小 林「難しそうですが、宇宙が膨張し続けるというのは不思議ですね。いったい宇宙って、どうなっているのでしょうか」

長谷川「本当にそうですね。その辺の最先端の話を語ってくれますよ」。「第11回目は、2月3日(土)です。宇宙は往くだけでなく、住む時代です」。「人類全体でどう利用するか一緒に考える『宇宙は「往く」時代から「住む」時代へ』と題して、JAXA(宇宙航空研究開発機構 )名誉教授、はまぎんこども宇宙科学館館長、やまとミュージアム名誉館長の的川泰宣(まとがわ やすのり)さんが講義を行います」。「的川先生は、日本のロケット、国際宇宙ステーションなど宇宙開発に長年関わってきた中心人物です」。「著書に『月をめざした二人の科学者 アポロとスプートニクの軌跡』など多数あります」

長谷川「最後の第12回目は、3月23日(土)に開きます」。「プラネタリウム100年記念ですので、最後はプラネタリウムの中で、プラネタリウムの今後、将来を考えてみようという趣旨の講座です」。「過去、未来、世界の国々の星空をご覧いただく『星空で時空を超えるプラネタリウムの旅』と題して、コスモプラネタリウム渋谷チーフ解説員 永田美絵(ながた みえ)さんが講義を行います」。「永田さんはNHKラジオ第一『子ども科学電話相談』の天文・宇宙関連を担当」。「また、東京新聞連載『星の物語』を執筆中。『星と宇宙のふしぎ109』など多数出版されています」

長谷川「この回は、プラネタリウムを管理・運営する渋谷区と共催です」。「第二部ゲストに、第2回目講師の縣 秀明さんを招いてのトークセッションも行われます」

小 林「どの講師も、その道のスペシャリストですね。この世界で個性的で最先端を行かれる方ばかりの12人ですね。これは、本当にエッジが効いていますね」

長谷川「開催時間は原則、講義13時30分~15時00分、アフタートーク15時10分~15時40分となっていますが、アフタートークは、私長谷川も参加します。第12回のみ18時30分~20時00分となっております」。「参加は各会、会場3,520円とオンライ2,970円で、共に1週間のアーカイブ配信付きです」

小 林「会場参加もアーカイブ配信が視聴できるので、欠席してもアーカイブで受講チャンスがありますね。復習もできますよね。それに遠隔地の方たちも参加できるのでいいですね。オンライン、アーカイブは、新型コロナウイルス時代に対応した産物ですね」

小 林「確か、もう終わってしまいましたが、「アルテミス計画」で、人類はなぜ再び月を目指すのか、宇宙開発に絡む各国の思惑などを明かす『~人類が再び月へ~始動した「アルテミス計画」とは ? 』も、会場は埼玉の川口センターとオンラインで開催されましたね」

小 林「他方、2023年4月期の公開講座は、その他にもサイエンス読書カフェ『知っておきたい地球科学~ビックバンから大地変動まで~』。『ロマンあふれる深海の不思議と最前線』など、エッジの効いた講座のラインアップが目をひきますが、これには何か意図があるのでしょうか」

長谷川「私が2022年6月に就任して思ったのが、12センターの講座の受講者は、8割以上は女性です。女性の方が活発にカルチャー事業に参加しますが、男性はそれに比べて少ないのが現状です。少しでも男性向けに、エッジの効いた講座ができなかと考えた訳です。興味深いデータがあります。日本経済新聞が報じていたのですが、『退職後、自宅以外で過ごす場所はありますか』というアンケート結果をのせた記事が目に入りました」

長谷川「日本経済新聞社・産業地域研究所の調査(2014年)ですが、男女ともに1位は「図書館」でした。男性の2位は「見つからない・特にない」、3位が「公園」。女性は、2位が「スポーツクラブ」、3位が「親族の家」』ということでした」

長谷川「また、そこには、『内閣府の2018年度の調査』の結果も紹介されています。半年以上自宅に閉じこもる「ひきこもり」は40~64歳が全国で推計61万3千人。7割以上が男性で、期間は7年以上が半数を占めました。ひきこもりになったきっかけは、「退職した」が約3割で最多』と紹介されています。「仕事や子育てを終えた後にも孤立することなく、生きがいをもって、人と交流できる仕掛けが求められる」とありました。 これを読んで、このひきこもりがちな、7割の男性にカルチャーセンターに呼び込んだらどうかと考えました。そういう居場所を作ろうと。今まで少なかったのが、サイエンス関連の講座です。私はもともと、科学部の記者でしたから、サイエンス女子にも受講してもらえるような講座を作りたいと、考えています。その一つが、このプラネタリウム100周年記念の連続宇宙講座だったわけです」

小 林「この講座のほかにエッジの効いた講座はありますか」

長谷川「『刀剣女子』による『刀剣講座』が人気を博しましたね」

長谷川「神社や仏閣の宝物殿、東京国立博物館、刀工(刀鍛治)の流派・刀派、武将の愛刀などを楽しむものです」

長谷川「刀剣乱舞というゲームがはやりました。名刀を擬人化したアニメのような物語に仕立てたモノですが、これをきっかけに刀剣女子がブームになりました。この刀剣について、真剣に学ぼうという講座が刀剣講座です。刀剣の専門家である、京都国立博物館の末兼俊彦主任研究員が、科学的な研究成果などについて語ってくれています。今でも毎回50人以上が参加する超人気講座です」

小 林「それは、本当にエッジが効いていますね」

長谷川「刀剣乱舞というゲームがはやりました。名刀を擬人化したアニメのような物語に仕立てたモノですが、これをきっかけに刀剣女子がブームになりました。この刀剣について、真剣に学ぼうという講座が刀剣講座です。刀剣の専門家である、京都国立博物館の末兼俊彦主任研究員が、科学的な研究成果などについて語ってくれています。今でも毎回50人以上が参加する超人気講座です」

小 林「それは、本当にエッジが効いていますね」

長谷川「ここで、コーヒーブレークといたしましょうか」

🔴 コーヒーブレーク 🔴

小 林「趣味が野球とゴルフとお聞きしましたが」。「野球は何歳から始めましたか」

長谷川「小学校2年生で野球を始め、大人に混じって野球をしていました。小学校6年の群馬県大会(若獅子旗争奪少年野球大会)で優勝しました」

小 林「若獅子旗争奪は、野球ルールを確り学び、野球は楽しいということに力点を置くとともに、学童の健康特に肩肘を考え軟式球で行う大会ですね」。「優勝は凄いですね、高校進学は」

長谷川「群馬県立前橋高校に進学しました」

小 林「文武両道、古豪で春のセンバツ2回、夏の選手権4回、名門ですね」。「高校の戦績は」

長谷川「昭和56年(1981年)秋の群馬県大会優勝、関東大会進むも2回戦敗退」。「翌昭和57年春群馬県大会優勝。その年の夏は、第1シードとして甲子園を目指したが、雨天の中での試合で、2回戦敗退でした」

小 林「えー。秋の群馬県大会優勝して、関東大会2回戦敗退。ここで勝てば春の甲子園出場だったんですね」。「そして主将として優勝候補筆頭で夏の大会を迎え、2回戦雨天の泥試合で涙を飲んだ」。「将来のことを考えたら、負けて東北大学に進学したのはご加護だった」。「日本で3番目の帝国大学として創立された難関大学、高校が送りたい大学トップクラスの大学ですから、大学では野球は…..」

長谷川「東北大学学友会硬式野球部に入部しました」

小 林「すると仙台6大学野球連盟ですから、東北福祉大学・東北学院大学・仙台大学・東北工業大学・宮城教育大学と戦ったわけですね」

長谷川「1年生秋から外野手(ライト)を守り、4番を打ちました。打率は3割を超えて、昭和59年(1984年)秋の仙台6大学野球リーグ・ベストナイン(外野手)」。「3年生になってからは、主戦投手となりました。 昭和60年(1985年)春季仙台6大学野球リーグで投手として1人で投げ抜き、7勝5敗で準優勝。敢闘賞授賞、同年秋の秋季リーグ戦も5勝、防御率1点台で2度目の敢闘賞授賞」。「4年次も春4勝、秋1勝。2年間で17勝を挙げました」

小 林「3年生春季の12試合投げて防御率1点台であれば、東北福祉か東北学院なら優勝投手で最優秀投手でしたね」「それに投げて打って大谷翔平と同じ二刀流ですからね、さらに学業にと大学生活を存分に謳歌し人間形成をされた証ですね。羨ましいです」。「社会人になって野球は…..」

長谷川「社会人になってからも野球は続けています」。「少年野球を指導する親父らの野球大会の杉並区PTA野球協議会主催の野球大会で3度の優勝、3度の準優勝を果たしました」

小 林「『ひきこもり』とは全く無縁ですね。それどころか自我を高め、社会参加、地域貢献を楽しんでおられる」。「まさに生涯学習時代で言われる『生きる力』や『生きがい』を創出していくことが重要となっていますがそれを実践されていますね」。「それは、小学校2年生で野球を始め、早い段階から生きがいに対する学習がなされた賜物だと思います」。「しかし、今、日本の学校では教員不足が深刻な問題になっています」

長谷川「そうですね。学校の先生の忙しさは、本当に民間以上ではないでしょうか?」。「本当に子供のことを考えたら、やることはいっぱい。疲弊しますよね」。「最近、教員のなり手がいないのは、そういう背景があります」。「文科省調査で令和3年度始業日時点での『教師不足』(不足率)は、小・中学校で2,086人(0.35%)、高等学校で217人(0.14%)、特別支援学校で255人(0.32%)が規定数に満たない状況になっています」

小 林「これからは授業などの正課教育だけでは人間形成ができない時代と言われています」。「クラブ活動などの正課外教育、またはコミュニティー学習も不可欠と言われています」。「それを教員に押し付けるのは教員の就労のキャパを超えてしまいます」。「この点で、杉並区の教育は進んでいると思います。熱意と指導能力のある保護者に、少年野球を指導してもらうシステムは素晴らしいと思いました」。「これからは、スポーツに限らず文化部に対しても、コミュニティー学習も外部支援を活用すべきだと考えます」

長谷川「おっしゃる通り」。「カルチャ-教室でもこうした教育分野に関わっていくことが求められる時代になったと思っています」。「自治体と連携しながら、課外活動なの機会を提供できますね」。「実は、自治体とも連携はしております。 1989年 官民連携のカルチャーセンター『町屋』が開設。2004年 荒川区立生涯学習センターの管理、運営受託、2006年 国営昭和記念公園教室(東京・立川市)の運営受託があります」。「我が社では、これからの生涯学習時代に向けて、家庭学習、地域学習、学校学習、企業学習の、生涯学習分野でどのようなサポートやコーディネート、さらには運営などの貢献が、可能かどうかリサーチしております」

小 林「コーヒーブレークの後で、『100歳生涯学習時代~よみうりカルチャーセンターの挑戦~』についてお聞かせください」

長谷川「わかりました。そうしましょうか」

次回6月31日(月)予定は、第3弾『100歳生涯学習時代~よみうりカルチャーセンターの挑戦~』について、長谷川社長にご指導いただきます。

(文・タイトル写真 小林 一)(カメラ 藤原 稔)

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