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読売・日本テレビ文化センター代表取締役社長 長谷川聖治氏(下)
はせがわ・せいじ。群馬県生まれ(58歳)。東北大学理学部数学科卒。1987年4月読売新聞社入社。新潟支局、科学部、甲府支局、バンコク特派員、科学部次長、科学部長、編集局次長、事業局次長、北海道支社次長、よみうりコンピュータ取締役副社長を経て、2022年6月から(株)読売・日本テレビ文化センター 代表取締役社長に就任。
東京・江東区清澄にある読売・日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー)本社を訪問し、代表取締役社長長谷川聖治氏のインタビューも今回で3回目、最終回となります。第1回目は、よみうりカルチャーの歴史をひもとき、どんな講座があるのかカルチャー事業全般について聞く中で「よみうりカルチャーの使命」を熱く語っていただきました。第2回目はどうしたら受講者を引きつけることができるかその柱となる「エッジが効いた講座」作り、それに込める思いについてお聞きした。最終回の今回は「人生100年時代」を迎え、「人工知能社会」など時代の激しいうねりが押し寄せる中で、よみうりカルチャーセンターが、今後どのように挑戦していくのかについてお話を聞いた。
〜 よみうりカルチャー 100歳生涯学習時代へ飽くなき挑戦 〜
🟢 100歳生涯学習時代 のよみうりカルチャーセンターの挑戦 🟢
小 林 一(以下 小林)「コーヒーブレーク明けは、100歳生涯学習時代のよみうりカルチャーセンターの挑戦についてお話をお聞きしたいと思います。100歳生涯学習をどう捉えておられていますか」
長谷川聖治(以下 長谷川)「生涯学習は、学校教育だけでなくて、生涯にわたって学び続けることです。家庭の中、社会の中、企業の中など、どこでも学んでもいいわけですが、カルチャーセンターでもその一役を担うことが出来ると考えています。弊社としては、多様な要求の中で、時代にあった学びとは何か、それを模索し、多彩な学びの場を提供するのが本業だと思います」
小 林「揺りかごから墓場までというか、一生学びの期間ということですね。ところで、よみうりカルチャーセンター受講生の最少年齢は何歳ですか」
長谷川「生後半年から受講対象とする講座もありますが、独立して受講できるのはだいたい3歳前後ではないでしょうか」
小 林「半年から受けられる講座とはどんな講座ですか」
長谷川「親子で行うリトミック教室や音楽の講座でしょうか。お渡しした2023年4月期の荻窪センターの講座案内をご覧ください」。「ジュニア・親子の欄に、ベビーから幼児のリトミック(6か月~2歳)。音楽ムーブメント(6か月~2歳)という学習プログラムがあります」
小 林「リトミックについてご説明いただけますか」
長谷川「リトミックとは、スイスの音楽教育家ダルクローズが創案した音楽教育法です。端的に言えば、リズムを身体の運動によって把握させようとするものですが、これは子どもが音楽を聴いて感じたことを、自由に身体で表現させ、それによりリズム感・表現力・判断力・想像力・集中力やコミュニケーション能力などを伸ばしていく手法ですね。リトミックは、今から20年程前には、とても盛んでした。今では少し下火になってきましたが、まだ小さい時に感性や情緒を養うものとして関心は高いようです」
小 林「音楽ムーブメントについてもご説明いただけますか」
長谷川「音楽ムーブメントは、発達学を基礎に心を重視した乳幼児期の、こころ、感受性、喜びなどを育て、表現力や創造力を育む手法です」
小 林「身体全体の機能を使った学習が主流ですね。人間形成の基礎学ということでしょうか。3歳前後になりますと、どんな講座の受講が増えるのでしょうか」
長谷川「3歳くらいになると、習い事系の講座が増えてきますね。12センターによって、個性がありますが、とても幅広くやっていますね」
長谷川「小学校入学前の子供向けには、楽しい知能開発、小学校受験コース、日本舞踊・お琴・お裁縫・書道・硬筆・絵画・ピアノ・バイオリン・ギター・ウクレレ・ミュージカル・バレエ・クラシックバレエ・モダンバレエ・ハワイアンフラ・タップダンス・リズムダンス・HIPHOP・空手・新体操・チアダンス・チアリーディングなどがありますね」
長谷川「そして、小学校からは、発想力が身につく ! 子どものためのマンガ講座(小学生)、お片づけ大作戦(小学生)、英会話(小1~4年)・マンガ講座(小学生)・文書講座(小学校~中学1年生)・箏曲、三絃(ジュニア)・科学実験(ジュニア)、ヒューマンアカデミー[ロボット](小1)、宇宙技術(小1)・プログラミング(小3)・そろばん(ジュニア)・脳が覚醒する国語・読み取るチカラを育む(子ども)・作文(ジュニア)・茶道(ジュニア)・花道(ジュニア)・洋裁(ジュニア)・美術(ジュニア)・アート(ジュニア)・工作(ジュニア)・ロボット工作(ジュニア)・宝塚受験を目指そう(こども・少人数)・宝塚を歌おう(ジュニア)・気合道(小学生)・カンフー(ジュニア)・フェイシング(ジュニア)などのプログラムが追加され、大方が高校生まで学べるようになっています」
小 林「対象年齢が、ジュニアと小学生に分けていますが、その区別はどこにあるのでしょうか」
長谷川「ジュニアというのは、幅広い年齢を想定しています。基本は、小学生から高校生までしょうかね。中高生の場合は、大人のクラスに入る子もいますし、小学生がいるグループに行くこともあります。最終的には、本人の意思を尊重しています。見学をしてから決めています」
小 林「その中で人気の講座を教えていただけますか」
長谷川「なかでもとても人気なのは、読売巨人軍のマスコットガール 『ヴィーナス』によるダンス講座『ヴィーナスダンススクール』ですね」。「3歳から、本物のヴィーナスを目指す20歳前後の大人のクラスまで幅広い受講者がいますが、特に受講生が多いのが、小中学生クラスですね 」
小 林「巨人戦で可憐にダンスを決める姿には憧れるでしょうね」。「今回ここまで若い人向けの講座を見てきましたが、50~70歳代の方がカルチャーを支えていると思いますが、最高年齢は何歳ですか」
長谷川「そうですね、100歳の方もおられると思いますが、何歳の方が最高齢か、データの正確性から申し上げられません。ただ、90代の方は200人以上受講しております。少なくない数字だと思います。90代の講師の先生もいますし、本当に矍鑠(かくしゃく)とされていて、見ている我々も元気をもらっています。ありがたいことです」
小 林「90代の方が200人以上とは、まさに100歳生涯学習時代近しということですね。学びの情熱は元気の源なのですね」。「ところで、オンライン講座も始められましたね」
長谷川「2020年7月には『よみカルオンライン(オンライン講座)』をスタートさせ、その講座に限り遠隔でも受講できるようになりました。オンラインの受講ができなくても、後で見逃し配信も行っていますので、復習も可能になりました」
小 林「近頃、1980年に出版された未来学者、アルビン・トフラー『第三の波』がよく頭をよぎります。現代文明は、第一の波『農業革命』、第二の波『産業革命』に続く、第三の波『情報革命』のうねりの中にある。その結果、家内労働の可能性は急速に高まり、人々は1か所の集中した仕事場から、電子機器を備えた家『エレクトロニック・コテージ』が出現すると提唱したものです」
小 林「あれから40数年、業種によっては都会を離れ田舎でテレワークが行われ、コロナ禍で一時はオンラインによる自宅での遠隔授業やワークが中心となりました。まさしく、アルビン・トフラーの予言通りになった瞬間でもありました」
小 林「さて、現在は『人生100年時代』『人工知能社会』のうねりに向けて、生涯学習の重要性はより一層高まっていくと言われています。生涯学習は、『様々な学びの機会を生涯通じて学習していく必要性がある』と言われています。文科省では『国民一人一人が自己実現を図るために必要な学びを得られるよう、生涯学習社会の実現目指しています』と宣言しています。そこで、100歳生涯学習時代によみうりカルチャーセンターの挑戦を、どのようにお考えですか」
長谷川「これまでにもお話したように、カルチャー事業は、1980年代にブームが巻き起こりました。その後は、少し勢いがなくなりましたが、まだまだ日本人の学びへの意欲は強いものがあると思います。何を学びたいのか、それは時代とともに変遷していきます。そういうニーズをくみ取り、きめ細やかな講座づくり、情報提供、接客対応をしていくカルチャーの存在価値は、大きいものがあると考えています」
長谷川「よみうりカルチャーは現在、読売新聞東京本社のDX推進チームと連携して、DXツールを利用して、お客のニーズの調査をするとともに、学びたい意思があるのだが、どこで学んだらいいのかわからない人たちに情報を提供し、よみカルファンを増やしたいと考えています。それには、何が強みで、何が弱みなのか正確に把握することが欠かせません。2022年6月に代表取締役社長に就任してから、そういう視点に積極取り組んでいきたいと、強く思っています」
小 林「具体的にはどんなことを考えておられますか」
長谷川「やはり、カルチャーセンターで一番大事なのは、良質な講座の企画ですね。そのうえで自治体を含め、外部との連携も重要です。大学、小中学校とのタイアップ講座もぜひやりたいですね。ほかには、新たな受講者層への食い込みです。女性が非常に多いのですが、男性の受講者をもっと増やしたい。それには、男性が好むような教養・歴史もの、そして科学などの講座を作らなくてはいけないと思います」
小 林「前回のインタビューでお話しされた、プラネタリウム100周年記念宇宙講座もそれですね」
長谷川「その通りです。科学講座、歴史講座などは、新聞社とうまく連携していきたいと考えています。それに加え、現在はリカレント教育(学び直し)、リスキリングなどがブームになっています。労働市場の動向は、キャリア・スキル・収入のアップの流れと、働き方改革で、中堅世代の転職も増えています」
長谷川「現在の若い人たちは、短期間で職を転々とすることに抵抗がない世代です。いわゆるZ世代ですが、そうした若い層だけでなく、職を求めてスキルアップできるような場を作ることも、将来を見通した場合、カルチャーセンターの守備範囲にしてもいいと思っています。ただ、それを実行するにはマンパワーが必要です。現状では、すぐにそれが対応できません。じっくり腰を据えて、前に進んでいきたいですね」
小 林「二つ目に挙げておられた自治体、社会との連携はいかがですか」
長谷川「自治体との連携は増やしたいですね。一つは、大市場である首都圏でアピールしたい地方自治体との連携です。昨年は、徳島県、島根県、そして県ではありませんが福井県とつながり深い若狭観光連盟とタイアップした講座を開きました。例えば、観光誘致を目指す徳島県との連携では、有名な阿波踊りの講座をよみうりカルチャーで企画し、そこの受講生らが踊れるイベントを開催しました。イベントには、タレントも参加し、東京・高円寺の阿波踊りの『連』も招待して、若い女性らが多数楽しく踊ったわけです」
小 林「面白そうですね。島根県とはどんな講座を…..」
長谷川「島根県には、世界遺産に指定された石見銀山があります。その石見銀山を知ってもらおうというオンライン講座を開催しています」
小 林「若狭観光協会とは、どのような講座をされましたか」
長谷川「若狭の食のすばらしさを、漫画『孤独のグルメ』の原作者、久住昌之さんと、料理研究家のかわごえ直子さんを招いての講座『御食国(みけつくに)から伝わる食の探求』を、よみうりカルチャー12センターすべてで開催しました」
小 林「グルメ漫画でテレビドラマ化もされていますね。それはエッジが効いた一味違う講座で、受講生はさぞかし満腹になり満足行く講座でしたね」。「エッジが効いたといえば、プラネタリウム100周年宇宙講座では、渋谷区とタイアップをしていますね」
長谷川「渋谷区とは単発な事業です。ほかに、市区町村レベルでは、三鷹市、中央区などから生涯学習講座開設の委託を受け、事業運営を担っています。今後は、こうした都道府県、市区町村からの講座運営委託は、カルチャーの得意とする分野なのでやっていきたいですね。2004年から荒川区立生涯学習センターの運営を行う指定管理者となっていましたが、諸事情から今年3月で終了しました」。「2006年から国営昭和記念公園教室の管理委託を受けていましたが、現在は、単に場所を借りて講座開設をしているという形態です」
小 林「大学とはどうですか」
長谷川「新しい取り組みとして、今年度初めて大学と業務提携を結びました。具体的には同志社大学東京オフィスで開かれている社会人向け公開講座の企画と運営を担っています。2023年度春学期の講座を見てみると、『夕顔の巻を読む』(岩坪 健 いわくぼ・たけし 同志社大学文学部教授)、『百人一首~女性歌人の和歌と人生~』(福田智子 ふくだ・ともこ 同志社大学文化情報学部教授)、『Z世代のアメリカ~いま・未来~』(三牧聖子 みまき・せいこ 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授)、『21世紀の国家戦略と私たちの社会』(保阪正康 ほさか・まさやす ノンフィクション作家、評論家、日本近現代研究者)です。各講座4,5回あります。秋学期の講座及び単発講座5回程度も現在企画中です。これからも自治体や大学との社会教育における生涯学習推進拡張に精力的に努めていきたいと考えています」
小 林「これを契機によみうりカルチャーと高等教育機関とで生涯学習プログラムでコラボできると面白いと思います。先ほど、リカレント、リスキリングへの参画を述べられていましたが、少子高齢化と医療進歩で健康寿命が時代とともに伸び、定年が延びているということもありますね。そうしたことも影響していますか」
長谷川「そうですね。そうした少子高齢化の影響もあり企業定年退職年齢は、1970年台は50歳~55歳、1980年は55歳から60歳定年に引き上げ(努力義務化)、1998年60歳定年、2000年65歳までの雇用確保措置(努力義務化)。2006年65歳までの雇用確保措置(義務化)。2013年65歳までの継続雇用(義務化)となっています」。
小 林「そして近い将来には70歳時代が到来すると言われていますから。そうすると約50年間以上企業人であり続けることになりますね」
長谷川「少しうんざりしますね。50年前に学んだことが通用することはないですね。急速なITの進展の中で、仕事の形態は大きく変わっていますよね。私は、新聞記者ですが、入社した36年前とは大きく変化していますね。手書きでしたが、今はメモもパソコンでやっていますね。音声で取材し、それをメモ起こしするようなツールも登場していますからね。こうした変化は、従来のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や社内教育だけでは限界があります。そこで、私どものスキルアップ講座や研修会プログラムを、きめ細やかに、企業や団体に、また個人に企画運営することが求められると思います」
小 林「企業教育ではたくさんのことが考えられます。思いつくままに言えば、個人情報、情報漏洩、著作権法、対話型AI・生成型AI、ビジネスコミュニケーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、メンタリング、コーチング、ワークショップ、チームビルディング、プロジェクトマネージメント、問題解決策、イノベーションマネージメント、エンタープライズ戦略、ソーシャルメディアマーケティングなどのスキルアップ講座や研修会などです」
長谷川「企業や団体とタイアップして企画運営することができるのかどうか、さらに何ができるのかを調査していきたいと思っております」
小 林「前回お伺いいたしましたが、学校教育の正課外教育(クラブ活動など)への貢献、参画についてお聞かせください」
長谷川「生涯学習で培うものは、知識の習得とともに意思・感情・思考を伝達するコミュニケーション、問題解決、批判的思考、創造性・独創性、自己抑制力、リーダーシップなどの能力を養うことも重要だと考えます。未だ、生涯学習の時間を小学校・中学校・高校では『学校教育』で知識能力が独占しています。つまり小学校の『児童期』、中・高『青年期』という一番伸び盛りの果敢な時期に受験勉強に偏重され、生涯学習に偏りが起き、それが弊害になっています」
小 林「脱却のチャンスはありましたよね」。「それは、知識詰め込み型教育の因習を打開すべき、児童・生徒が自発的に横断的に・総合的な課題学習を行うという試みで、1980年度から2010年度に実施された『ゆとり教育』ですよね」。「1987年の臨時教育審議会答申で、学歴主義を改革して生涯学習体系への移行が提案されました。しかし、2011年にはその救世主のはずのゆとり教育が廃止となりましたね」。「具体的には『総合的な学習の時間』の活用でした」。「失敗の要因として、指摘されたのは『理念の統一が図られることなく、結果的に単なる教育内容の削減にとどまった』と言われました」
長谷川「その大きな壁となったのは、『入学試験における受験競走・受験戦争・受験地獄から脱却できなかったことが全て』と結論づける人もいましたね」。「大学入試などでは、この期間AO入試などで一部対応しましたが『ゆとり教育の影響を受けて、難易度が低くなった』という指摘がマスコミでも取り上げられ、ゆとり教育を実施した公立と、そうでない私学との入試実績の優劣がついたと囁かれるなどで、2011年には廃止に追い込まれましたね」
小 林「その結果、体験学習や問題解決学習はなおざりにされて、千載一遇のチャンスを逃し残念でした。ましてや、正課外活動のクラブ活動やボランティア活動は一部強化育成を除いては置き去りになっていますからね」
長谷川「前回のコーヒーブレークでも触れましたが、今、文部省調査での教員不足は深刻な問題となっていますね。過重労働に加えて低賃金、民間に比べて定年退職が早いなど問題は山積です。やっと政府は思い腰を上げてきましたが…..」。「こうした労働環境の中で教師に正課外教育を委ねることは如何なものかと思いますね。そこで、杉並区の少年野球を熱意のある保護者に指導してもらうという実体験が教えてくれたことですが、こうしたことをよみうりカルチャーが『スポーツ活動』や『文化活動』のお手伝いをすることもできるのはないかと思案しています」
小 林「『スポーツ活動』や『文化活動』で子どもたちのコミュニケーション、問題解決、批判的思考、創造性・独創性、リーダーシップなどの能力を養うことで、学校で学ぶ知識と融合させて人間形成を図ることは、人間力をより高めると思います。さらに、それらが趣味に発展すれば生きがいとなり、100歳生涯学習の礎となり豊かな人生を過ごす一因になりますね」
長谷川「こう見てくると、人間として生まれたからには、生涯学び続けるということが大事だということを改めて痛感します。私たちよみうりカルチャーは、学びの世界で主人公であるクライアントの一生涯というライフタイムで貢献させていただき、そのクライアントが満足のゆくライフウェイを過ごすことの、一助になればと引き続き努めたいと思います」
小 林「お忙しいなか長時間に渡り、インタビューにストレート真っ向勝負で、懇切丁寧にお答えいただき感謝いたします。ありがとうございました」
=次回のインタビューVisitもご期待ください =
(文・タイトル写真 小林 一)(カメラマン 藤原 稔)