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1.コーヒーの歴史【2】
Mocha「Mocha「皆様、 Mocha(モカ)です」。「今回第2回は『シェーク・ゲマルディン伝説2/3』をお伝えします」。「さて、前回の『シェーク・オマール伝説1/3 』は、コーヒーはイスラーム教徒によりイエメンで発見され、そして秘薬としてイエメンに伝播たというストーリーとなっていましたね」。「イスラーム教のオマールが女王に恋をしでイエメンの山中に追放され、小鳥に誘われてコーヒを発見し、その煮汁を飲むと気力も蘇り元気になりました。医術の心得もあったオマールはこの実を使って多くの人を癒し、モカの聖人として迎えらた」という話でしたね」。「本日はどのような伝説になっているのでしょうか」。「それでは、皆様を『シェーク・ゲマルディン伝説2/3』へご案内い申し上げますワン」
『「シェーク・ゲマルディン」伝説2/3』
アデンのイスラム法学者 シェーク・ゲマルディンは、アビシニアを旅行中にコーヒーの覚醒作用などの効用を知りました。
旅先からアデンに戻ったゲマルディンは、ある日体調を崩しました。ゲマルディンは旅行先で知ったコーヒーの効用のことを思い出して、早速コーヒーの実を取り寄せ、煮込んで飲んでみると病気が治りました。さらにゲマルディンは、このことでコーヒーが持つ覚醒作用や気分を爽快にする効用を確証しました。
そこでイスラーム(イスラム)法学者のゲマルディンは、その効用に着目しイスラームの修道場で夜の信仰の教えを実践するときに利用することを勧めました。
ある夜の修道場で教えの実践の前に、何時も居眠りをする者にコーヒーを飲ませると、なんと居眠りをする者がいなくなりました。その後も試しましたがコーヒーの効用効果が発揮され、居眠りをするものはいなくなりました。その評判は修道場から、眠気を覚ますことが必要な学者や職人たちに広まり、そして灼熱の太陽を避けて夜に旅する商人たちへと広まりアデン一帯でコーヒーが飲まれるようになりました。
《 MEMO》▶︎この伝説は『オマール伝説』と同じく、アブドゥル・カーディルの『コーヒーの由来書』(1587年)で紹介されたものです。【参考文献 : 日本創芸学院『コーヒーコーディネーター養成講座TAXT 1 』】▶︎『アデン』は現在のイエメンの紅海入り口近くのインド洋に面する港湾都市です。▶︎『イスラーム』はイスラーム教です。世界三大宗教(イスラーム教、ユダヤ教、キリスト教)です。唯一神(アッラー)に服従・帰依する教えです。▶︎『イスラーム法学者』はウラマーのことです。ウラマーは、コーラン注釈、ハーディース学、神学、法学などを習得した『学識ある者』の意味です。▶︎イスラーム教では他の宗教に見られるような聖職者や僧侶階級を持ちません。▶︎イスラーム教では、7世紀から8世紀にかけてのイスラーム教の伝来期に建設されたものとして、礼拝などを行う修道場(回教寺院)を『テキーヤ(Tekke)』、またスーフィズムの修行者たちが集まって修行を行うための施設は『ハーンカー(Khanqah)』、さらに礼拝や集会、教育などの重要な施設として『モスク』があったと言われています。▶︎『信仰の教えを実践する』は、イスラーム教では『イバーダ(崇拝行為)を行う』と言われています。▶︎『アビシニア』は現在のエチオピアになります。▶︎メッカは現在のサウジアラビアになります。▶︎人名・地名などカタカナ表記において、翻訳によって表記が異なることがあります。※イスラム(イスラーム)に改めました、ご了承ください。
《ONE POINT》▶︎この伝説は「①イエメンのアデンという湾岸都市に住むイスラーム法学者のゲマルディンが、現在のエチオピアのアビシニアを旅行中にコーヒーの効能を知りました。②ゲマルディンがアデンに戻ったある日、体調を崩しそのコーヒーの実を取り寄せ、煮込み飲むと病気が治り、コーヒーの持つ覚醒作用や気分を爽快にする効用を確証しました。③それをイスラーム教の修道場に教えると、たちまち眠気を覚ますことが必要な学者や職人、さらに夜に旅をする商人に伝わり、アデン一帯でコーヒーが飲まれるようになりました」と、コーヒーの効能と地域への伝播の話と言うことになります。
Mocha「皆様、次回来週4月14日(金)は1.コーヒーの歴史【3】は『「アビシニアの山羊飼いカルディ」伝説3/3 』になります。こちらもご覧くださいね。訪問、お待ちしております」「それでは、皆様、Have a wonderful time 〜…..」
(文・写真 H.kobayashi)