第3回 Caffe & Mocha    珈琲トーク

=MAGAZINE= 珈琲ブレークサイト 

テーマ『コーヒー・ルンバ3/3の(上)』

Caffe・Mocha「皆様、お元気でしたか~」。Caffe「私はCaffe(カフェ)前」Caffe「私はMocha(モカ)後ろ」。Caffe・Mocha「今回もよろしくお願いいたします」。Caffe「Mochaちゃん、前回のコーヒー・ルンバ2/3如何でしたか」。Mocha「正直むずかった所もありましたが、その部分は漠然とやり過ごしました~」。Caffe「その漠然とは、『焙煎』と『抽出』の…」。Mocha「それそれ、それよ」。Caffe「珈琲Basic Knowledge(珈琲基礎知識)で、後に詳しく学習を進めて行きますから、ご安心ください」。Mocha「ありがとう。ところで、本日は、恋を忘れた哀れな男にモカ・マタリを教えたら、『やがて心うきうき♪ とても不思議このムード♬ たちまち男は若い娘に恋をした♪』と、何なの、え~、何なのかしら、その秘薬の不思議な力を知りたい~ 」。Caffe「今日はそのコーヒー・ルンバの歌詞について、Mochaちゃんとさらに掘り下げていきたいと思います。」。Caffe・Mocha「皆さん、コーヒー・ルンバ3/3(上)、よろしくお願いいたします。それ、スタート ! 」

Caffe「Mochaちゃん、コーヒー・ルンバの中沢清二の日本語詞を見てくださいね」

Mocha「はい~、準備したわよ」

『コーヒー・ルンバ』 日本語詞 中沢清二

昔アラブの偉いお坊さんが♪ 恋を忘れたあわれな男に♬ しびれるような香りいっぱいの♪  琥珀色した飲み物を教えてあげました♬ やがて心うきうき♪ とっても不思議このムード♬ たちまち男は若い娘に恋をした♪ コンガ・マラカス楽しいルンバのリズム♬  南の国の情熱のアロマ♪ それは素敵な飲み物コーヒー・モカ・マタリ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ♪♬♪♬♪〈 ※ 再度上記まで繰り返し〉

コンガ・マラカス楽しいルンバのリズム♬ 南の国の情熱のアロマ♪ それは素敵な飲み物コーヒー・モカ・マタリ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♪ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♬  みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♪

Caffe「Mochaちゃん、どうぞ」

Mocha「Caffeちゃん、『昔アラブの偉いお坊さんが』て、イスラム教には聖人や守護聖人とMocha「『恋を忘れたあわれな男に♬ しびれるような香りいっぱいの♪  琥珀色した飲み物を教えてあげました♬ やがて心うきうき♪ とっても不思議このムード♬ たちまち男は若い娘に恋をした』て、怪しい飲み物よね」

Caffe「Mochaちゃん、そのような湾曲した解釈、下品で失礼よ ! 」

Mocha「あらら下品なんて、Caffeちゃん言い過ぎじゃない。それではどう咀嚼して解釈するのか教えてよ」

Caffe「そうね、Mochaちゃん、西田佐知子のコーヒー・ルンバが流行った1960(昭和35)年代の日本経済は、1958(昭和33)年から始まった岩戸景気(42か月) 、続いてオリンピック景気(24か月)、そしていざなぎ景気(57か月) と1970年まで高度成長した時代よね」

Mocha「確か、その前の神武景気で三種の神器、白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機だったのよ。そして、1960 年代後半にはカラーテレビ、クーラー、カーの3C が新三種の神器として豊かな生活の象徴となりましたって、Caffeちゃん習ったわよ」

Caffe「Mochaちゃん、神武景気、三種とか、何かしら。教えて」

Mocha「あらら、Caffeちゃん以外、以外だわね」。「神武景気(じんむけいき)は、あら、あれ〜」

Caffe「どうしたの。Mochaちゃん、何をしているの」

Mocha「分かっているけど、人に説明できない。だから、広辞苑で検索しているの」。「出たわよ、『神武景気(じんむけいき)、1956年から翌年にかけての好景気。日本始まって以来という意味で名づけられた』、Caffeちゃん、お分かり」

Caffe「ありがとう。神武天皇が初めての天皇だから、日本始まって以来の好景気ということね」

Mocha「そうよ、『三種の神器(さんしゅのじんぎ)』、皇位の標識として歴代の天皇が受け継いできたという三つの宝物。すなわち八咫鏡(やたのかがみ)・天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」

Mocha1950年代に、それを比喩的に備えておきたい3種の高価で有用な物として、白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫を言ったことから広まったのよ、Caffeちゃん、分かって」。「何、見ているの」

Caffe「『内閣府の「国民生活に関する世論調査』サイトを見ているの、コーヒー・ルンバが流行った1961(昭和36)年を調べたら、生活程度は中上、中、中下を合算すると、回答者76%、調査員判断92%が生活程度は中となっている」

Mocha「第二次世界大戦の終戦記念日は、アメリカが1945(昭和20)年9月2日、日本では1945(昭和20)年8月15日昭和天皇がラジオ『玉音放送』を通じて国民に対して戦争に負けたことを告げた日としているわよね」。

Mocha「そして、1956(昭和31)年度経済白書に『もはや戦後ではない』と締めくくったのよね、あれから12年で焼け野原から復興したのよね」。「コーヒー・ルンバが流行った1961(昭和36)年の『内閣府の「国民生活に関する世論調査』で白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫の状況はどうなっているのか、調べてよ」

Caffe「1961(昭和36)年、内閣府の国民生活に関する世論調査、対象20,000人、有効回収数17,103人(85.3%)で『お宅に今、有るとか無いとかいうことは別として、あなたがせめて、これくらいのものは揃えた家庭生活をしたいと思うものをあげてください』。また、『すでに持っているものは』の問いのベスト5は、1位 白黒テレビ59%(持っている43%、持っていない16%)、2位 電気洗濯機56%(30%、26%)、3位 ミシン43%(64%、-%)、4 位 電気冷蔵庫39%(9%、30%)、5位 固定電話27%(14%、13%)などとなっています。そのうち『全て持ってない』と答えた人は23% になっているわ」「参考に3位のミシンは、1969(昭和44)年の調査項目からは姿を消しているわよ」

Mocha「1961年、第12回紅白歌合戦で西田佐知子がコーヒー・ルンバで初出場、当時は紅白が国民的行事と言われ、大方がラジオとテレビ(白黒・カラー)で視聴していたそうよ。テレビのないうちの人は近所のテレビを見に伺っていたって聞いたわよ」。

Mocha「そうそう、この時代のテレビ放送は、今ほど自主制作が多くなくて、アメリカのホームドラマや西部劇などの番組編成が多かったそうよ」。

Caffe「だから、テレビも一役買っているのよ。アメリカ制作の番組編成のおかげで、自然にアメリカの食事やコーヒーを飲むシーンが多く流れ、朝はトーストにコーヒーなどと、自然にアメリカの食文化に触れ、それに憧れ実践してみて慣習化したのよ」

Mocha「そうね。きっと、そうよ」「皆さん、覚えているのかしら。第1回Caffe & Mocha 珈琲トークで全日本コーヒー協会ホームページの調査データ『日本のコーヒーの輸入量の推移』(財務省)を紹介していますので、目を通していただければと思います。確かに時代とともに増えいいくのよ」。

Mocha「それに、戦後の生豆輸入の再開 1950年、生豆の輸入自由化 1960年、インスタントコーヒーの輸入自由化 1961年、レギュラーコーヒーの輸入自由化 1970年という追い風もあり、コーヒー・ルンバのリズムに乗り急成長していくのよね」。「特にインスタントコーヒーは、一家にひと瓶とコーヒーを身近なものにしたわよね」

Caffe「さらに日本の国内総生産(GDP)も鰻登りで『この中で、お宅でお持ちになっているものがありますか』の問いのベスト5は、1位 白黒テレビ(89.6%)、2位 電気冷蔵庫(88.7%)、3位 電話(46.3%)、4位 ステレオ(29.4%)、5位 カラーテレビ(22.1%)となっているわよ」。

Caffe「「それが1970(昭和45)年には人口約1億人で、中流に属すると回答者89.5%(四捨五入で90%)、調査員判断93.2%を占めたことにより『1億総中流』という言葉がはやったのよ。凄くない」

Mocha「その分、ゆとりの時間が出来て、家でテレビを見たり、読書したり、音楽聴いたりね」

Caffe「こうしてみると、1961年頃からの高度成長期は女性を家事労働からある意味解放したのよ」。「電気洗濯機の前はタライと洗濯板とで手でごしごし、足で踏んづけたり、洗濯物を手で絞ったり、ま〜大変なことだったのよ」。「電気冷蔵庫は朝・昼・夕の買い出しを、1日1回、2日で1回、週に2回とか負担を軽減させてくれたのよ」

Mocha「1955(昭和30)年から1973年(昭和48)までの19年間の高度経済成長期は、国内総生産(GDP)でアメリカに次ぐ世界2位となったのね」

Caffe「そうね。1950年頃から駅前と中心街に喫茶店が点在し出し、徐々にオープンし始め、全日本コーヒー協会調べで、『喫茶店の事業所数』は1966(昭和41)年には27,026件と伸ばし、1975(昭和50)年には約3.5倍に、1981(昭和56)年には約5.7倍とピークとなったのよ」

Mocha『お茶しない』が、縁側から居間に、『お茶しない』が日本茶から紅茶•珈琲に、そしてコーヒーがメインの喫茶店へと変遷していくのね」

Caffe「そうね、その通りよ。コーヒーが秘薬から世界に伝播されて、今や日本では生豆も家庭に入り込み、焙煎を楽しんだり、挽きを楽しんだり、抽出を楽しんだりね。また、活力のエネルギー補給に、コミュニケーションのお供に、ビジネスの友に、癒しの一杯になどと千差万別ですよね」。「はい、皆様、第3回Caffe & Mocha珈琲トーク如何でしたか、次回5月15日(月)第4回Caffe & Mocha珈琲トークは『コーヒー・ルンバ3/3の(下)』を珈琲トークしていきたいと思います。「それでは、皆様、Have a wonderful time ワン ワン」

(文・写真 H.kobayashi)

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