=MAGAZINE= 珈琲ブレークサイト
テーマ『 コーヒー・ルンバ 1/3』
Caffe・Mocha「皆様〜、初めまして〜、私たちは、トイプードルです〜」。Caffe「はい、前方のBlack2020年生まれ3歳タイニーサイズで、人間に換算すると28歳のCaffe(カフェ)です」。Mocha「はい、後方のRed2018年生まれ5歳ティーカップサイズで、人間換算で38歳のMocha(モカ)です」。Caffe・Mocha「私たち、トイプードルの姉妹か、このコーナーで、珈琲にまつわる話を気の向くままに隔週で会話していきます。いよいよ、本日4月3日(月)スタートいたします ! 」
Mocha「Caffeちゃん、私、今日のために『ルンバ』を広辞苑で引いたら、『①打楽器と歌によるキューバの黒人のダンス音楽。②1930年代以降に欧米で流行したキューバのダンス音楽』だと、また大辞泉には『19世紀初め、キューバのアフリカ系住民の間から生まれたリズム。また、そのダンス。4分の2拍子で活気のあるリズムが特徴』と、記載されていたわ。カフェちゃん、これらと今回のテーマ『コーヒー・ルンバ』は何か関係あるのかしら ? 」
Caffe「Mochaちゃん、今回は、その①に当たる、キューバのアフリカ系住民から生まれたリズムがベースとなっている『コーヒー・ルンバ』がテーマなのよ ! 」
Mocha「驚き〜、ねぇ、どんな音楽かしら…..」
Caffe「この曲はね、1958年ベネズエラの、José Manzo Perroni(ホセ・マンゾ・ペローニ)の作詞・作曲『Moliendo Café』(モリエンド・カフェ)、日本語訳は『コーヒーを挽きながら』と言われているのよ」
Caffe「世界的に有名になったのは、この曲を1960年に甥のスペインのアルパ演奏者Hugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)がインストゥルメンタル・バージョンでヒットさせたからなんだって…..」
Mocha「それはそれは、半信半疑だったので驚き〜 ! 」。「ちょっと待って、折角だから、私ね『 Music』契約しているから『Moliendo Café』と…..」。「出たわよ、『Moliendo』と打っただけでさ、ほら3曲…..」
Caffe「ちょと貸して。それでは、この中でMartin Zarzar(マルティン・ザーザー)の『Moliendo Café』、そしてHugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)の『Moliendo Café』を続けて再生するよ。良く聴いててよ」
Mocha「いいわよ」
※ Caffe、Mochaが耳を澄ませて聴き入っている。
Caffe「Mochaちゃん、どうでしたか…..」
Mocha「そうね、Martin Zarzar(マルティン・ザーザー)の『Moliendo Café』は落ち着いた曲調の中でマーチンの歌声もコーラスも心に染み入り、凄く哀愁に満ちていたと思う。それに比べて、Hugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)のインストゥルメンタルは、一転してハイテンポな曲調とトロピカルな雰囲気が漂う演奏で、心がウキウキしたわよ。素人だから原曲が一緒とは思えないわよ…..」
Caffe「それでは、いよいよ主役が登場よMochaちゃん、お願いよ」
Mocha「わかったわ、西田佐知子と…..」「あれ、『はじめての街で』、『赤坂の夜は更けて』、『アカシアの雨がやむとき』、うそ『コーヒー・ルンバ』がないわよ ? 」
Caffe「何してんのよ 。貸して、あらら、本当ね…..」。「ちょっと待って、私のMusic会社では…..、あったわ西田佐知子『コーヒー・ルンバ』。それでは、モカさん、歌詞を見てくださいね。再生しますよ」
Mocha「あ、これね。」「いいわよ」
『コーヒー・ルンバ』歌手 西田佐知子 日本語詞 中沢清二 編曲 川上義彦 / 原曲『Moliendo Café』作詞作曲 José Manzo Perroni(ホセ・マンゾ・ペローニ)
昔アラブの偉いお坊さんが♪ 恋を忘れたあわれな男に♬ しびれるような香りいっぱいの♪ 琥珀色した飲み物を教えてあげました♬ やがて心うきうき♪ とっても不思議このムード♬ たちまち男は若い娘に恋をした♪ コンガ・マラカス楽しいルンバのリズム♬ 南の国の情熱のアロマ♪ それは素敵な飲み物コーヒー・モカ・マタリ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ♪♬♪♬♪〈 ※ 再度上記まで繰り返し〉
コンガ・マラカス楽しいルンバのリズム♬ 南の国の情熱のアロマ♪ それは素敵な飲み物コーヒー・モカ・マタリ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♪ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♬ みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ ♪
Caffe「Mochaちゃん、如何でしたか」
Mocha「一度聞いて、歌手 西田の魅惑の哀愁歌唱は勿論のこと、エキゾチックでロマンス溢れる中沢清二の日本語詞、それにマッチングする川上義彦のルンバ・アレンジ、Mochaちゃん、私、痺れたわよ〜」。「何か、Martin Zarzar(マルティン・ザーザー)の哀愁歌とHugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)の南国感溢れる浮き浮き感が、日本歌謡にエキゾチックにミックスされていて、驚いたわ…..」
Caffe「1960年にコーヒー生豆が全面自由化となり、それを受けるように歌手 西田佐知子が、1961(昭和36)年に大ヒットさせて、第12回 紅白歌合戦に初出場を果たしたんだって…..」。「それに、この歌は日本国内の『珈琲』ブームにも一役買っんだってよ」
Mocha「それね、先ほどから、気になっていたんだけど」。「高速道路のサービスエリヤに設置されているさ、ほら、その場でコーヒー豆を挽いて抽出までの工程が映し出され、その間にメロディーが軽快に流れるでしょうよ」。「そうだわ、この曲。きっとそうよ…..」
Caffe「そうなの…..」
Mocha「『コーヒー・ルンバが流れるコーヒー自販機』で検索。ほら、出てきたこれだわ『ミル挽き珈琲 アドマイヤという自販機から…..』だって。こちには、映像もあるわよ….. 」
Caffe「あ、これはHugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)の演奏曲よ、きっと…..。この曲はルンバ(Rumba)ではなくて、ハイテンポのオルキデア(Orquidea)というリズムで、その上にカリブ海のトロピカルな雰囲気漂う打楽器の演奏は、現代の南国カリブが連想されて軽快な曲調で心が踊るわね」
Mocha「この曲のテンポに乗って、『今、一生懸命急いで、珈琲を挽いて・抽出していますよ』と言う、アピール映像と曲に調子を合わせているうちに、30秒ぐらいで出てくるのよ。自動販売機が、ここまでやるのて、凄くない」
Caffe「私ね、調べたのよ。全日本コーヒー協会ホームページの調査データ『日本のコーヒーの輸入量の推移』(財務省)の5年毎生豆換算計』ではね、1960年(昭和35)10,866トン、1965年(昭和40)29,234トン、1970年(昭和45)89,456トンと鰻上りとなっているわ」。「その内インスタントは、1959(昭和34)年以前の0トンから1960年(昭和35)は84トンに、なんと1965年(昭和40)には10,536トンとジャンピングしているのよ」
Caffe「1990年(平成2)年には324,841トン、その内インスタントは14,830トン、1995(平成7)年には生豆換算332,157トン、その内インスタントは16,297トン。2021(令和3)年には生豆換算453,418トン、その内インスタントは30,308トンと、着実にその勢いは持続しているのよ。 凄くない ! 」
Mocha「そうね、1960(昭和35)年生豆換算10,866トン、その内インスタント84トン。2021(令和3)年には生豆換算453,418トン。その内インスタント30,308トンとともに桁違いの増加だからね」
Caffe「Mochaちゃん、1961(昭和36)年の西田佐知子から始まった、このコーヒー・ルンバは、1992(平成4)年には荻野目洋子がビートを効かせた曲調と切れ切れのダンシングでカバーし、第43回紅白歌合戦に5回目の出場を果たしているのよ。それにダイドーブレンドコーヒーCMソングとして話題をさらって、コーヒーブームに長きに渡り貢献しているんだね…..」
Mocha「Caffeちゃん、コーヒー・ルンバで検索すると、井上陽水、葛城ユキ、坂本冬美など、2000(平成12)年に入ってもそうそうたる歌手がカバー曲を出されているのには驚きね。それとともにコーヒーの魅力も益々ましていくのよね」。「ところで、歌詞の中に出てくるモカ・マタリて実在するの ? 」
Caffe「Mochaちゃん、それについては、第2回に委ねることになってるのよ」
Mocha「あら、残念ね」
Caffe「ところで、皆様、第1回テーマ『 コーヒー・ルンバ 1/3』はコーヒー・ルンバの誕生と日本のコーヒーにまつわる話でしたが如何でしたか…..。次回隔週4月17日(月)の第2回テーマ『 コーヒー・ルンバ 2/3』は、中沢清二の日本語歌詞にまつわる話をトークいたします」。「どうかご来場くださいね」「それでは、皆様、Have a wonderful time 〜…..」
(文・写真 H・Kobayashi)